五つの傷が癒えるまで

40代ブラック勤めワープワのおっさんが今更Janne Da Arcを眺めるブログ

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

www.pixiv.net 五つの傷が癒えるまで~Kazuya's side-7~ 『4人揃ってこっち来てしまって、みんな悲しむかな』 『ま、俺らはお互い悲しまへんで済むけどな』 『後処理的な事、やっぱり大変やろうか』 『そういえば俺どうなったんやろ。誰か見つけてくれたか…

www.pixiv.net 五つの傷が癒えるまで~Kazuya's side-6~ 『なあ、どこまで行くん?』 『多分もうちょい』 『多分てそれ何なん、どこ行くん?』 誰も通らない夜の山道。おばけでも出そうだな、と自分を棚に上げながら歩いていると、後ろからかすかにジャンク…

www.pixiv.net 五つの傷が癒えるまで~Kazuya's side-5~ 振り返ると倒れ込んだ自分が見える。 見えるが、ちょっと待て。 『うわ、何やこれ』 思わず声に出てしまった。顔面は紫色だ。 喉元に自分の両手の爪が食い込んでいる。 信じられない程だらしなく伸び…

www.pixiv.net 五つの傷が癒えるまで~Kazuya's side-4~ シュウの葬儀の翌日、ユータは観客参加型ギタリストイベントに出演し、ライブは大盛況だったようだ。夜になり観客も帰り、本人も宿泊ホテルまで戻る準備をしていた所、ステージのすぐ下を流れる川の…

www.pixiv.net 五つの傷が癒えるまで~Kazuya's side-3~ ぼんやり灯る外灯を見上げる。こんな空じゃ星も見えない。 シュウはどうしてるのかな。 もう星になったんだろうか。それならユータは。 俺の脱退を理由にジャンクが解散して暫くした頃、シュウから検…

www.pixiv.net 五つの傷が癒えるまで~Kazuya's side-2~ メーカーも事務所も、ジャンクを売るつもりなど大してなかった。 元々新人バンドに似つかわしくない実力を持っていたシュウなどは、バンドよりもさっさとスタジオミュージシャンとして、メーカー所属…

www.pixiv.net 五つの傷が癒えるまで~Kazuya's side-1~ 湿気た空気の漂う蒸し暑い階段を、1人で上る。 ここのスタジオを使い始めた頃に屋上の鍵を貰っていた。 以前は屋上の緑化などを掲げ誰でも入れるようにしていたらしいが、今は立入禁止になっている。…